2024年1月13日・14日にかけて、大学入学共通テストが実施されました。
過去、最高クラスに難化したとの声もあります。
東洋経済の記事より
https://toyokeizai.net/articles/-/727769
2024年1月13日・14日にかけて、大学入学共通テストが実施されました。
センター試験から共通テストに変わって今回で4回目となる入試。今年も、新傾向の問題や難しい問題に苦戦する受験生が多かったようです。
その中で一番話題になったのは、英語リーディングの試験でした。SNSでは「英語難化」との声が非常に多く、実際にわれわれが指導している受験生たちも、「英語が非常に難しかった」「今まで受けた共通テスト形式の模擬試験や過去問と比べても類を見ないくらい、ぶっちぎりで難しかった」という声が多く聞かれました。
さて、われわれ「カルペ・ディエム」には東大生たちが数多く所属しており、みんなで受験生になったつもりで今年の共通テストを解いてみました。
今回の記事では、東大生たちが共通テスト英語を解いて感じた感想・「何が難しかったのか」をみなさんと共有したいと思います。
まず、いちばん最初に感じたことは、問題のページ数・分量が多いということです。
センター試験の時代と比べても、去年までの共通テストと比べても、ぶっちぎりで問題文の分量が多いのです。
問題数こそ変わらないものの、ページ数は「40ページ」と過去最多。問題に使われている文章の合計ワード数に至っては「約6300語」でした。
センター試験時代には約4000〜4500語だったことを加味して考えると、とんでもなく分量が増えています。
去年までの共通テストと比べても、分量が大きく増加しています。2021年度の第1回共通テストでは「約5500語」で、2022年度・2023年度も「約6000語」。それでも悲鳴を上げる受験生たちが多かったことを考えると、そこからさらに分量が増えた今回の入試の平均点は、例年と比べて大きく低くなることが予想されます。実際、われわれが教えている受験生たちも、いつもよりも英語リーディングの点数が低かった人が大半です。
東大生たちも、「時間内に解けなくはないけれど、全部読もうとしたら本当に時間がなくなる」「1~2問は(時間がかかるから)捨てて、次の問題に進んだ」「受験生時代に解いていたとしても、かなり低い点数になっていただろう」との感想がありました。
さらに、難しくなっているのは分量だけではありません。その中身の難易度も大きく向上しています。
受験生たちを苦しめたのが、第5問でした。『魔の第5問』とでも呼ぶべき凶悪な難易度の問題であり、例年とは違った傾向のある問題でした。
まず、例年の第5問の構成は「2ページの英語の文章」+「1ページのその英文に関わるノート」+「問題」だったのですが、このうち英語の文章のページが3ページに増加。
SNSでは「2ページで終わりだと思ったらもう1ページあって絶望した」というコメントが散見されました。そのうえ、問題の内容もかなり難しかったです。英単語のレベル自体はそこまで高くはなっていないのですが、問題はその中身です。
毎年の問題形式で言えば、第5問は数年前から変わらず、エッセイ風の文章を課して答えを求めるという問題でした。
ですが、今回課された問題文はほとんど英語の小説と言っていい内容の文章であり、その問題も、国語の小説問題であるかのような問いが多かったです。
例えば、今回は「Interpretation of key moments」、つまり「ストーリー上重要なシーンの解釈を求める問題」が出題されました。
「なぜここで2人は押し黙ったのでしょうか?考えられる選択肢4つのうちから1つ選びなさい」といった問題や、「なぜカスミは『皮肉』という言葉を使ったのでしょうか?4つのうちから1つ選びなさい」といった問題が出題されていました。
これは、今までの英文読解で求められていたような、単純な読解では対応できません。このシーンに至るまでの文脈や流れを汲んで答えを選ぶ、まさに国語の小説で求められているのと同等の読解力が英語で求められていたわけです。以前の問題であれば、こういった問題はほとんどなかったと言えます。
「Aさんの発言を要約したものとして正しいものを4つのうちから1つ選びなさい」「文中に書かれている出来事として間違っているものを4つのうちから1つ選びなさい」のような問題・つまりは事実ベースで選択肢を選ぶものが多く、ただ英文を読んで、事実を解釈できれば正解になるものが多かったです。
しかし今回は、単純な事実だけではなく、登場人物の心情を汲まないといけない問題が出題されたのです。
これは、過去の英語の試験と比べ類を見ないほど、かなり高度な能力が求められている問題であると言っていいでしょう(厳密に言うと、2017年のセンター試験第5問の問3で、「登場人物がなぜそう言ったのか」を選ぶ問題がありましたが、それも前にその理由が書いてあり、そのまま直接選択肢を選べるもので、今回と比べるとかなり直接的な内容だったと言えます)。
一方で、東大生や東大志望の受験生からすると、こうした問題には既視感がある人が多いです。それはなぜかというと、東大の2次試験の英語の入試問題の中に、同じような問題があるからです。
東大英語の第5問では毎年、英語の小説を読み、その内容を精査し、登場人物の発言の裏やそういう展開になった背景を想像して答えることを求められる問題が出題されています。
そういった意味では、東大の過去問を解いたことがある人にとっては有利な問題だったと言えるでしょうし、ほかの受験生にとっては東大受験生に求められているような高度な能力が求められる問題だったとも言えるでしょう。
ということでわれわれの結論として、東大でも求められるような、『英語小説の解釈』という高度な読解が、今回の入試では求められました。
2025年度以降の入試がどうなるかはわかりませんが、これからの入試に対応するためには、単純に英文を訳す能力だけではなく、国語力にも等しい「Interpretation=解釈」の能力が求められるようになっていく契機になるような、そしてこれからの時代に求められる英語力の解釈の範囲を大きく広げる問題だったと言えるかもしれません。今後の入試からも目が離せませんね。
以上
ここから私の学習塾目線での感想です。
私も実際に出題された問題を見てみました。
・現在の公立中学の勉強との乖離。
普通に公立中学校、公立高校で行われるカリキュラムではおそらく英語力が間に合わないです。
英検でいうと準1級レベルが必要でしょうか。
そうすると逆算すると、高1の後半~遅くとも高2の1学期には英検2級レベルの英語力がないと間に合わないということになります。
公立の文理学科合格生徒の多くが2級を取得していますが、あれも無茶な話だとは思いますが、単語を先に覚えるという意味では有効かもしれません。
個人的には英検2級で6割ちょっととって合格するほうが、C問題で得点をとるよりも攻略法がある公立の受験制度に問題があると思っていますが。(文法がたいしてみにつかないので)
すると、中3~高1の1学期には英検準2級の英語力が求められます。
中3で英検準2級に合格することも可能ですが、完全に中学英語を超えてくるので少し厳しいです。
すると、中2の2学期くらいには英検3級に合格したいということになり、中2の夏休みにどれだけ頑張るかというのがとても大事になってきます。