今回は、大阪の公立中3生が夏休みに頑張らないといけない勉強の優先順位についてお話します。
もちろん、一般的な中学生にも当てはまるでしょうが、ここでは特に学習塾アシストがある大阪を想定してお話ししています。
実は、高校の受験制度や文化は都道府県をまたぐとガラッと変わるのです。勉強の仕方という意味では共通していますが、高校受験という目標を考えるとなると、都道府県ごとに大きく文化が異なります。
■ 大阪の高校受験はこう違う
大阪では、10月から12月くらいの校外模試や校内実力テストの結果、ならびに中3の1学期と2学期の通知表の結果が私立高校の合否に大きく左右するのです。
故に、2学期の実力テストで高得点を取ることが重要になってきます。
これがすごく大事なポイントで、都道府県によっては過去問対策が大事という地域もあります。
大阪でも、公立高校の上位や、私立高校でも上位層や人気校は過去問対策が重要です。
しかし、実はほとんどの私立高校では、過去問よりも、夏休みの2学期実力テスト対策が重要なのです。
なぜなら、2学期の実力テストが合否判定に大きく響くからです。
ここでいう上位層というのは、五ツ木模試で偏差値65前後と思ってください。
偏差値60前半くらいまでであれば、夏休みは2学期の実力テスト対策が第一です。
偏差値50台も40台もおなじです。
通知表がほぼオール2の生徒さんは、また別です。
■ 夏休みはおおよそ一ヶ月。復習の時間が激減する前に
まず大前提として、夏休みはおおよそ一ヶ月です。
夏休みが終わると、復習に時間がとれる時間が大幅に減ります。
その中で、何を優先的に学習しないといけないかを、ランキング形式でお話しましょう。
第1位:社会
先ほど申しました通り、夏休みが終わると復習にとれる時間が大幅に減ります。
よって、夏休み中にできるだけ復習を完成させないといけません。
その中でも、暗記項目が多い社会の中で、地理と歴史を終わらせることです。
「終わらせる」というのは、地理と歴史に関して受験に対応できるレベルまで復習するということです。
もっとも点数が伸ばしやすいのが社会です。
どうしても時間がない人は、少なくとも歴史か地理、得意なほうを得点源科目にできるようにしましょう。
満遍なくわからないとか、自分に苦手単元がわかっていないというのが、よろしくありません。
偏差値が50程度の生徒さんは、応用問題よりも、問題集の各単元のはじめにある一問一答の基礎単語を見直したほうがいいでしょう。
第2位:理科
次に理科です。
理科は、単元ごとに得手不得手が出がちな科目ですから、自分の得手不得手を分析したうえで、苦手な人は点数がとれない単元の基礎知識を見直し、得意な人は、より応用問題でもとけるように、実力テストに対応できる学力を身につけましょう。
理科も社会と同じく、偏差値が50程度の生徒さんは応用問題よりも、問題集の各単元のはじめにある一問一答の基礎単語を見直したほうがいいでしょう。
第3位:英語
次に英語です。
英語で最優先は英単語です。
単語帳を使って単語を復習していきます。
とくに、英語を日本語になおすことからはじめましょう。
実力テストでは、問題はほぼ長文で出題されます。
一般的に、長文の中でしらない単語が5%あると長文が読めないといわれており、3%しらないと深くわからないと言われます。
なので、英単語が重要なのです。
なお、多くの塾では、授業では単語の勉強はしません。
一つは、授業でやっている時間がないこと、二つ目は、英単語の勉強やテストを授業でしても授業の体をなさないことが理由です。
しかし、英語でもっとも大事なものは単語です。
単語がわからないと読めないからです。
その次が文法です。
偏差値が50後半でている人は、長文読解を始めてもよいです。
なお、大学受験を志望している人は、中学の模試で少なくとも偏差値55以上には達しておきたいです。
高校受験は五教科で判定されますので、英語が多少苦手でも他の教科でよければ補えますが、大学受験のステージでは英語が苦手のままではかなり英語が足を引っ張り、きつい戦いになります。
大学受験のステージでは、高校受験の偏差値50ではかなりきついです。
なぜなら、高校受験模試は大学進学しない人も受験者の分母に含まれているからです。
その集団の中で偏差値50、つまり「平均」ということは、大学進学をめざす集団の中では下のほうにいるということになります。
よって、大学進学をめざす人は、英語を得意にしておきたいです。
そのためにまずは単語を覚えてください。
それだけで、実力テストの点数は上がります。
同時に文法を復習します。
第4位:数学
数学については、わからないところを克服するというよりも、目標点数から逆算して、とれる問題を確実に取れるようにすることです。
まずは、計算問題を間違わずに解けるようになること。
文字式の基本、方程式、連立方程式、因数分解、平方根など、計算の基本をしっかり解けるようになることです。
苦手な単元についていうと、基本問題だけは解けるようにして、あとは捨てることも大事です。
数学に関していうと、目標点数を決めて、それを達成するようになるにはどうすればいいかを考えて、夏休みのカリキュラムを決めましょう。
第5位:国語
まず、誤解があってはいけませんが、五教科の中で強いていうと一番大事な科目は何かと聞かれたら国語だと思います。
国語はすべての科目の基礎です。
主語、述語の関係がとれない人は、英語も高校になると伸び悩みます。
数学も文章題の質問の意図が読み取れません。
理科も実験などの流れが読み取れません。
社会も地理歴史の複合問題が読み取れず、公民は論理の力が必要です。
国語はスポーツでいうと基礎体力や基礎的な筋力です。
中学生くらいだと、基礎的な運動神経がある人はいろんな競技を満遍なくそつなくこなせます。
バスケは得意だけど、走るのはだめだめなんて人はいません。
国語ができるようになると、他の四教科の点数もあがります。
国語は得意だけど、他の教科は苦手という人は、わりとちょっと勉強するだけで、他の教科ものびます。
しかし一方、一ヶ月ですぐに伸びる教科ではありません。
国語とは今までの積み重ねです。
したがいまして、夏期講習という視点では、国語でやるべきことは限られます。
必ず出題される、文法と古典をすることをおすすめします。
古典は、中学三年間合わせても教科書にページは20ページから30ページ程度です。
つまり、学習している範囲がすごく少ないのです。
しかし、配点は高いので、古典の対策はしておきましょう。
理科社会が比較的できている人は、漢字は漢検対策として3級の試験をめざすのもよいでしょう。
3級が中卒程度の内容です。
そして、塾で可能であれば外部模試の過去問です。
外部模試の文章はいつもしている定期テストの文章と違って初見であり、しかも長いです。
読解力はすぐにつくものではありませんが、類似の問題になれることはできます。
外部模試の過去問が入手できなければ、公立の高校の過去問でも構いません。
長い文章に慣れましょう。