小中高の個別指導と中堅私立中学受験のアシスト

国語の成績はどう上がるのか

国語は、五科目の中でも特に成績の上がり方が見えにくい教科です。
しかし実際には、国語が苦手な生徒にはかなりはっきりした共通点があります。

私は10年以上、さまざまな学年の生徒を見てきましたが、国語ができない生徒は、単に「センスがない」のではありません。
多くの場合、どこかの段階でつまずいています。

そして大切なのは、その生徒が今どこで止まっているのかを見極めることです。
今の学年の問題が解けないからといって、いきなりその学年の読解テクニックを教えても、うまくいかないことが多いです。
必要なのは、今の学年の問題を解かせ続けることではなく、その前の段階にある壁を一つずつ超えさせることです。

以下は、私の指導経験から見えてきた、国語力の壁と、その段階ごとの対策です。

レベル1。学年相応の文章量に耐えられるか

最初の壁は、学年や年齢に応じた文章量に耐えられるかどうかです。

これは中学3年生あたりで特にはっきり出てきます。
中3で国語の定期テストが40点前後の生徒は、知識以前に、そもそも中3で求められる長さの文章が読めないことがあります。

中3の国語では、教科書でも一つの作品が数ページにわたります。
定期テストや実力テストでも、ある程度の長さの文章を読まされます。
しかし、その量を読むだけの体力が足りていない生徒がいます。

これはスポーツで言えば、5キロを走り切る体力がない生徒に、5キロのタイムをどう縮めるか教えているようなものです。
完走できないのに、走り方の技術だけ教えても限界があります。

この段階の対策

この段階の生徒には、まず読書と短文問題を並行して行うことが大切です。

読書をせずに、受験の現代文の読み方だけで国語の成績を上げるには限界があります。
国語が本当に苦手な生徒は、そもそも本を読みません。
絵本も読まない。
漫画も読まない。
文章を読むこと自体に慣れていないのです。

そういう生徒に、いきなり長い説明文や難しい文学作品を読ませても続きません。
まず必要なのは、「読むことはしんどいものだ」という感覚を少しずつ崩していくことです。

まったく本を読まない生徒なら、入口は漫画からでもかまいません。
そこから、漫画の小説版、ファンタジー小説、ライトノベル、推理小説など、入りやすいものへ広げていけばよいと思います。

逆に、いきなりやってはいけないのは、最初から文学作品を読ませることです。
まず大事なのは、本を読む楽しさを知ることです。
読むこと自体への抵抗が強い生徒に、最初から「良い本」を押しつけても失敗しやすいです。

レベル2。主語と述語をつかめるか

次の壁は、文の基本構造をつかめるかどうかです。
特に大切なのが、主語と述語の関係です。

日本語では、多くの場合、述語は文の最後にあります。
そのため、まず述語を見つけることが、文の意味をつかむ第一歩になります。

ところが、国語が苦手な生徒は、これができません。
「主語と述語を探してごらん」
「述語は文の最後だよ」
と伝えても、うまくつかめないことがあります。

正直に言えば、こちらとしても「これ以上どう言えば伝わるのか」と悩む場面があります。
しかし、それが現実です。

主語と述語がつかめないと、
誰がどうしたのか。
何について説明しているのか。
結局、この文の中心はどこなのか。
そうしたことが曖昧になります。

これは国語だけの問題ではありません。
作文でも、内容把握の選択問題でも、説明文でも物語文でも、すべての土台になります。
さらに言えば、英語の構造理解にも大きく影響します。
地味ですが、非常に重要な力です。

この段階の対策

主語と述語、修飾と被修飾の関係を正しく整理する練習が必要です。

このトレーニングが難しいのは、生徒自身が「何のためにこれをするのか」を理解しにくいことです。
しかし、目的ははっきりしています。

一番大きな理由は、文節の関係が正しい文を書けるようになることです。

文節の関係が崩れたままだと、
記述問題で何を書いているのかわからなくなる。
英語で主語と述語の対応が取れなくなる。
現代文の正誤問題で、どこを見ればよいのかわからなくなる。
といった形で、上位層に必要な力にまで影響が出てきます。

さらに言えば、これは受験だけの話ではありません。
就職でも、主語と述語がおかしい文、意味のつながりが不自然な文を書いてしまえば不利になります。
なぜなら、言いたいことが相手に伝わらないからです。

つまり、この練習は単なる国語の小手先の訓練ではありません。
正しく読み、正しく書き、正しく伝えるための基礎なのです。

レベル3。設問の指示を正確に読み取れるか

文章が多少読めても、今度は問題の指示そのものを正確に読めない生徒がいます。

たとえば、
「10字で抜き出しなさい」
と書いてあるのに、10字になっていない。
「一文を抜き出しなさい」
という問題で、「。」まで含めずに答えてしまう。

抜き出す場所そのものは合っていても、条件を読めていないために間違えるのです。
つまり、本文が読めていないのではなく、問題が読めていないのです。

これは単なるケアレスミスではありません。
授業中でも、人の話を最後まで聞けない、指示を保持できない、確認をしない、といった形で表れます。

この段階の対策

設問の指示を正確に読み取るための練習を、独立して行う必要があります。

実は、これができない生徒はかなり重い課題を抱えています。
なぜなら、本文以前に、出題そのものが読み取れていないからです。

この段階の生徒に応用問題をやらせても、あまり意味がありません。
まずは簡単な問題から、本当に少しずつレベルアップしていく必要があります。

大切なのは、難しい問題を解くことではなく、聞かれている答え方で正しく答えることです。
何字なのか。
抜き出しなのか、自分で書くのか。
一文なのか、一語なのか。
どこまで書けば条件を満たすのか。
そうした基本を繰り返し練習させることが必要です。

実際、設問の指示を正確に処理する力を鍛えることを目的とした教材もあります。
この段階では、読解力以前に、まず設問処理の基礎を固めることが大切です。

レベル4。問題文や本文を読み返せるか

国語の問題は、難しくなるほど、一度読んだだけでは解けません。

たとえば「22字で抜き出しなさい」のような問題では、問題文を見返し、本文を探し、文字数を数え、もう一度確認する必要があります。
本来、文字数制限がある問題は、条件に合わせて丁寧に探せば正解に近づける問題です。

しかし、国語が苦手な生徒は、この「何度も戻って確認する」ということ自体に耐えられません。
一度読んで、すぐに答えようとします。
だから、取れる問題も落とします。

ここまでの段階は、国語のテクニック以前の問題とも言えます。
読むことに耐えられるか。
条件を見直せるか。
繰り返し確認できるか。
こうした「耐性」の部分が、実はかなり大きいのです。

この段階の対策

この段階では、短文問題を使いながら、「読み返すこと」を習慣にする必要があります。

答え合わせのときに、
なぜ間違えたのか。
問題文のどこを読み落としたのか。
本文のどこを見返せばよかったのか。
そこまで一緒に確認することが大切です。

また、文章を読むときには、マーキングをしながら読む習慣も有効です。

文の構造を意識しながら線を引く。
場面が変わったところに印をつける。
接続語に注目する。
登場人物の気持ちが動いたところを押さえる。
こうした読み方を覚えることで、文章の構造が見えやすくなります。

そして、上達してくると、マーキングした箇所や、その近くに答えがあることが多いとわかってきます。

現代文を読むのがうまい生徒は、問題文にきちんとマーキングがあります。
線を引き、印をつけ、考えた跡が残っています。
逆に、現代文が苦手な生徒ほど、問題文がきれいです。
つまり、何も考えずに読んで、何となく答えていることが多いのです。

レベル5。説明文で「具体」と「抽象」の違いがわかるか

説明文で大切なのは、具体と抽象の関係をつかむことです。

多くの説明文は、
抽象的な主張があり、
それを具体例で説明する。
あるいは、
具体例を並べてから、
最後に抽象的にまとめる。
という形で書かれています。

筆者が本当に言いたいことは、多くの場合、具体例そのものではありません。
その具体例を通して示している抽象的な結論です。

ところが、生徒は具体例のほうがわかりやすいため、そちらを「筆者が言いたいこと」だと思い込みやすいです。
しかし実際には逆です。
わかりやすい具体例は、あくまで説明のために置かれているのであって、筆者の主張そのものではありません。

ここを取り違える生徒は、かなり高い確率で誤読します。

この段階の対策

この段階では、
どこが具体か。
どこが抽象か。
どこが筆者の主張か。
どこが具体例か。
を区別しながら読む練習が必要です。

特に、段落ごとに
「この段落は主張なのか、説明なのか、例なのか」
を言わせる練習は有効です。

また、接続語にも注目させる必要があります。
「つまり」があればまとめ。
「たとえば」があれば具体例。
「しかし」があれば対立。
そうした構造を取れるようになると、説明文はかなり読みやすくなります。

レベル6。本文を根拠にして答えられるか

ここから先は、説明文でも物語文でも共通して大切になる壁です。
それが、本文を根拠にして答えられるかどうかです。

国語が苦手な生徒は、自分の感覚や印象で答えることがあります。

説明文では、
「なんとなくこれが正しそう」
で選んでしまう。

物語文では、
「たぶんこういう気持ちだと思う」
と感覚で答えてしまう。

しかし、国語の問題で求められているのは、自分の感想ではありません。
本文を根拠に考えることです。

「なぜそう考えたのか」
に対して、
「この言葉が書いてあるから」
「この部分とこの部分がつながるから」
「この行動や描写から、こう読めるから」
と本文に戻って説明できることが大切です。

成績が安定してくる生徒は、選択問題でも記述問題でも、必ず本文の根拠を意識しています。

この段階の対策

この段階では、答えそのものよりも、
「根拠を本文のどこに求めたか」
を必ず言わせる練習が有効です。

説明文なら、
なぜその選択肢なのか。
どの一文が根拠なのか。
どこが筆者の主張なのか。
を本文に戻って説明させる。

物語文なら、
どの言葉、どの行動、どの描写からその気持ちを読んだのか。
誰の視点で見ているのか。
どこで場面や心情が変わったのか。
を本文に戻って説明させる。

国語は感想文ではありません。
本文の中に根拠を求める教科だということを、この段階でしっかり教える必要があります。

レベル7。筆者の主張を抽象化して言い換えられるか

最終的には、本文に書かれている内容をそのまま読むだけでなく、必要な言葉を使って、正しく言い換えられることが重要です。

特に記述問題では、
本文の内容を勝手に広げず、
本文中の言葉を使いながら、
必要な形にまとめ直す力が求められます。

この力が弱いと、抜き出しはできても記述で崩れます。
逆に、この力がついてくると、説明文でも物語文でも、記述問題の精度が上がっていきます。

この段階の対策

この段階では、
本文の言葉を使って短くまとめる。
具体例を一般化する。
複数の文を一つの主張として言い換える。
といった練習が必要です。

特に大切なのは、勝手に話を広げないことです。
記述が苦手な生徒ほど、自分の言葉で「盛って」しまいます。
しかし求められているのは創作ではなく、本文に沿った整理です。

そのため、
本文のどの言葉を使うか。
何を削って、何を残すか。
を丁寧に確認しながら練習させる必要があります。

そして、国語でもっとも大事なこと

ここまで、国語のつまずきと、その段階ごとの対策を整理してきました。
そのうえで、実際の指導で、もう一つ非常に大切だと感じることがあります。

それは、国語は五科目の中でも特に、本人の意識が成績に大きく影響する教科だということです。

もちろん、どの教科でも本人の意識は大切です。
しかし、国語は特にそれが大きいと感じます。

なぜなら、国語は短期間で伸ばしにくく、苦手な生徒ほど改善に時間がかかるからです。
英語や数学であれば、単語、文法、計算、公式、典型問題など、比較的「何をやればよいか」が見えやすい部分があります。
一方で国語は、
読む耐性。
文の構造理解。
設問処理。
論理の把握。
具体と抽象。
本文を根拠に考える力。
言い換えや抽象化。
こうしたものを、時間をかけて積み上げていかなければなりません。

しかも厄介なのは、国語が苦手な生徒ほど、その必要性をあまり深く考えていないことです。
その結果、本当に必要だと気づいたときには、受験までの時間が足りなくなっていることが少なくありません。

だからこそ、国語は早い段階から向き合うことが大切です。
そして私は、小学生の国語こそ非常に重要だと考えています。

小学生の国語が大事な理由

中学生になってから国語が苦手な生徒は、今の学年の文章を読まされながら、実際にはもっと下の段階からやり直さなければならないことがよくあります。

文章を読む耐性がない。
主語と述語が取れない。
設問の条件が読めない。
読み返すことができない。
具体と抽象の違いがわからない。

こうした土台の問題を抱えたまま、中学生としての国語を解かなければならないわけです。
これはかなり苦しいです。

その点、小学生のうちであれば、まだ時間があります。
読む習慣をつけることも。
文の構造を教えることも。
問題の指示を丁寧に読む習慣をつけることも。
比較的ゆっくり育てていくことができます。

だからこそ、小学生の国語には大きな価値があります。

中学受験の価値は、国語にもある

中学受験にはさまざまな価値があります。
算数的な思考力を鍛えること。
学習習慣を早い段階で作ること。
高いレベルの競争を経験すること。

ただ、私はその中でも、国語に向き合えることの価値は非常に大きいと考えています。

国語は、後回しにすると間に合いにくい教科です。
しかも、苦手な生徒ほどその必要性に気づくのが遅れやすい。
だからこそ、小学生のうちから国語に向き合うことには大きな意味があります。

中学受験の価値はさまざまありますが、私はその一つとして、「早い段階から国語を鍛えられること」を挙げたいと思います。

最後に

国語が苦手な生徒に、いきなり高度な読解テクニックを教えても伸びません。

読む量に耐えられないのか。
主語と述語が取れないのか。
設問の指示を処理できないのか。
具体と抽象がわからないのか。
本文を根拠にして考えられないのか。
言い換えや抽象化ができないのか。

まずは、その生徒が今どの段階で止まっているのかを見極めること。
そして、必要な土台から順に積み上げること。
それが国語の成績を上げるために、もっとも大切だと考えています。

国語は、センスだけで決まる教科ではありません。
しかし、時間はかかります。
だからこそ、早めに向き合う価値があります。

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個別指導学院アシスト

生徒自身が考えるプロセスや、自分で自分のことを考える力を身につける力を大切にし、『自分でできる勉強の仕方』を伝えます。私達は正しい意思決定ができるよう受験情報を保護者並びに生徒の皆様にお届けします。 人生の主人公は生徒自身です。私達は勉強を通じて、自立できる力を身につけられるようアシストします。

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