ことわざ・故事成語

第4回 61〜80

20語の解説

1

によりてさかなもと

やり方がまちがっていれば、ほしいものは手に入らないこと。

故事・由来

『孟子』の「梁恵王上」で、孟子は武力で国を思いどおりにしようとする王に、それは木に登って魚を求めるようなものだと説きました。方法が目的に合わなければ、努力しても成功しないというたとえです。

2

窮鼠きゅうそねこをかむ

弱いものでも、逃げ場がなくなると、強いものに向かっていくこと。

3

杞憂きゆう

起こるはずのないことを、あれこれ心配すること。

故事・由来

『列子』の「天瑞」には、杞の国の人が、空が落ち、地面がくずれるのではないかと心配し、食事ものどを通らなくなった話があります。起こるはずのないことを心配する意味になりました。

4

牛耳ぎゅうじ

グループの中心に立ち、みんなを動かすこと。

故事・由来

古代中国では、国どうしが同盟を結ぶとき、牛を使って誓いを立てる儀式がありました。牛の耳を取る役については古い書物に異なる説明がありますが、後に「牛耳を執る」は、集団の中心に立つ意味になりました。

5

牛刀ぎゅうとうをもってにわとり

小さなことをするために、必要以上に大きな道具や力を使うこと。

故事・由来

『論語』の「陽貨」で、孔子は、弟子の子游が小さな町を礼や音楽で治めているのを見て、「鶏を料理するのに牛を切る大きな包丁を使うようなものだ」と冗談を言いました。小さなことに大げさな方法を使うたとえです。

6

漁夫ぎょふ

二人が争っている間に、関係のない第三の人が得をすること。

故事・由来

『戦国策』の「燕策」には、はまぐりを食べようとしたシギが、くちばしを貝にはさまれる話があります。シギと貝が争っているところへ漁師が来て、両方とも簡単につかまえました。二者が争う間に、第三者が利益を得る話です。

7

くさってもたい

すぐれたものは、少し悪くなっても、もとの価値が残っていること。

8

くちわざわいかど

表示形:口は禍の門(口は災いの元)

よく考えずに言った一言が、困ったことを起こすこと。

9

くるしいときのかみだのみ

ふだんは神や仏を信じない人が、困ったときだけ助けを求めること。

10

君子くんしあやうきに近寄ちかよらず

かしこい人は、危険な場所やことに近づかないということ。

11

鶏口けいこうとなるも牛後ぎゅうごとなるなかれ

大きな集団の下の立場になるより、小さな集団でも一番上に立つほうがよいということ。

故事・由来

『史記』の「蘇秦伝」には、蘇秦が韓の王に、大きな国の後ろにつくより、小さな国でも先頭に立つほうがよいと説いた話があります。「鶏口」は鶏のくちばし、「牛後」は牛の尻を表します。

12

蛍雪けいせつこう

苦しい中でも勉強を続け、成功すること。

故事・由来

中国で、車胤は灯りの油が買えず、袋に集めた蛍の光で勉強したと伝えられます。また孫康は、雪明かりで本を読みました。二人が苦労しながら学問に励んだ話から生まれた言葉です。

13

継続けいぞくちからなり

小さな努力でも、続けることで大きな力やよい結果になること。

14

怪我けが功名こうみょう

失敗したことが、思いがけずよい結果につながること。

15

光陰こういんごと

月日が過ぎるのは、矢が飛ぶように早いこと。

16

後悔こうかいさきたず

失敗したあとで悔やんでも、もう元にはもどせないこと。

17

弘法こうぼうにもふであやま

表示形:弘法(に)も筆の誤り

名人も時には失敗すること。

18

弘法こうぼうふでえらばず

本当にじょうずな人は、道具がよくなくても、うまくできること。

19

紺屋こうや白袴しろばかま

人の仕事ばかりしていて、自分のことは後回しになること。

20

虎穴こけつらずんば虎子こじ

思い切って危険なことにいどまなければ、大きな成功は得られないこと。

故事・由来

『後漢書』の「班超伝」には、班超が危険な作戦を決めるとき、「虎の穴に入らなければ虎の子は得られない」と仲間を励ました話があります。大きな成功には、危険をおかす覚悟も必要だというたとえです。